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最近よく聞く「BOPIS(ぼぴす)」ってなに?

連載「いまさら聞けないリテールDX」とは?
小売・食品メーカー業界のDX化に関連した様々な素朴な疑問や地味にもっと理解しておきたい基礎知識を、みんなのリテールDX編集部が総力をあげて分かりやすい解説を試みている連載です。

こんにちは、みんなのリテールDX編集部のユウキです。

「いまさら聞けないリテールDX」では、リテールのDX化においての素朴な疑問をわかりやすく解説します。
今回は、いま知っておきたいリテール用語解説として、「BOPIS(ボピス)」を解説します。

みなさんはBOPISという言葉がどのような意味か、ご存知ですか?

店舗受取でネットショッピングをより便利にする「BOPIS」

BOPISとは、Buy Online Pick-up In Storeの頭文字を取った言葉で、オンラインで購入した商品を実店舗で受け取るショッピングスタイルを指します。

コロナ流行下での外出控えも追い風となり、最近ではネットショッピングで日用品を揃える機会も増えました。以前なら生活雑貨や衣料品、レトルト食品などがその中心でしたが、ここ数年で生鮮食品を扱うネットスーパーなどのサービスも浸透。ライフスタイルに合わせて消費者が自由にお買い物の場所を選べる環境が整いつつあります。

ネットショッピングには、「いつ、どこにいてもお買い物ができる便利さ」が得意な部分としてある一方で、「注文から受け取りまでにタイムラグがある」「配送に送料がかかる」といった苦手な部分もあります。こうした点を理由に購入をためらった経験が、多くの方にあるのではないでしょうか。

BOPISは、ネットショッピングの得意な部分を残しつつ、苦手な部分を最小限にする仕組みです。お客様は販売側の店舗網・配送網を活用し、自宅ではなく実店舗を送り先とすることで、よりスムーズに商品を受け取れます。オンラインとオフラインの融合が叫ばれるいま、新たなショッピングの形として注目を集めているのが、BOPISなのです。

国内のBOPIS事例4選

オンラインで探した商品を最短2時間から店舗受取。ユニクロの「ORDER & PICK」

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出典:株式会社ファーストリテイリング HP

ユニクロは2021年10月、独自のBOPISサービス「ORDER & PICK」の本格展開をスタートさせました。同サービスは、公式アプリまたはスマートフォンサイトで購入した商品を、全国750のユニクロ店舗(2021年10月時点)にて、最短2時間・送料無料で受け取れるもの。対象となるのは各店舗に在庫のある商品のみですが、来店や問い合わせをしなくてもオンライン経由で取り置きができる点は、ネットショッピングの得意な部分を生かしつつ、苦手な部分を打ち消すものであると言えます。

ユニクロはORDER & PICKのほかに、オンラインストアで購入した商品の店舗受取りサービスも展開しています。こちらは注文日の翌日以降から受取が可能(※商品の在庫状況などにより異なる)。お客様の都合にあわせて利用するサービスを選べる点が、ユニクロのBOPISの特徴です。

マツモトキヨシのBOPISサービスは、2つからお得な方を選べて経済的

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マツモトキヨシもBOPISサービスを展開しています。同チェーンでは、店舗受取を①お取り置き・お取り寄せサービス、②オンライン注文お店受け取りサービスの2つに分類。前者では店舗の、後者ではオンラインストアのキャンペーン・割引が適用されるため、顧客は在庫や価格などと相談しながら、都合の良い方を選択できます。もちろん送料はかかりません。医薬品や化粧品だけでなく、食料品、日用品なども扱っているマツモトキヨシなので、少額の買い物が多い方にとっては、経済的で便利なサービスだと言えるでしょう。

スシロー導入のスマートロッカーもBOPISのひとつの形

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出典:株式会社あきんどスシロー HP

飲食業界にもBOPISは広がっています。回転寿司チェーンのスシローでは、オンラインで注文した商品を、各店舗に設置されたスマートロッカー(※)で受け取れます。注文時に事前決済する仕組みとなっているため、店頭での待ち時間はありません。食べ物を扱う業種であるため、人との接触が避けられるコロナ禍では、こうした非対面・非接触の仕組みがお客様に受け入れられています。

※パスワードの入力や、QRコードの読み取りなどで自動開閉する非対面式のロッカー。決済機能を持つものもある。

スーパーマーケット業界からはイオンリテールがBOPISサービスを開始

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出典:イオンリテール株式会社

イオングループの総合スーパー事業を担うイオンリテールは2020年以降、ネットスーパーで扱う商品の店舗受取サービスを拡充しています。同社が展開するのは、①ロッカーピックアップ、②カウンターピックアップ、③ドライブピックアップの3パターン。すべて送料は無料で、最短当日から受取時間の指定が可能となっています。なかでも③ドライブピックアップは、店舗の駐車場までスタッフが商品を運んでくれるというもの。お客様は車から降りることなく、ショッピングを完結できます。

まだ一部の店舗でしか利用できないイオンリテールのBOPISですが、同社は今後、実店舗の標準サービスとしていく目標を掲げています。近い将来、生鮮食品もネットショッピングで買うのが当たり前となるかもしれません。

BOPISの浸透で店舗受取がネットショッピングの新たな選択肢に。

「BOPIS」という言葉について、理解していただけましたか?

紹介した事例以外にも、さまざまな企業がBOPISを導入しています。この動きは今後、DXを推進する中小の小売企業にもきっと広がっていくはず。やがてはあらゆるネットショッピングがBOPISに対応し、店舗受取がラストワンマイルの新しい選択肢として定着するかもしれません。

今後もみんなのリテールDXでは、いま知っておきたいリテール用語をどんどん解説していきます。次回もお楽しみに!

最後までお読みいただきありがとうございました!
引き続き、みんなのリテールDXをチェックしていただけると嬉しいです!

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この記事を書いたのは・・・
ユウキ
アーバンミュージックとミニシアターが大好きなサブカル男子。最近は飲食・小売のDXに興味津々。

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