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スマホアプリとミニアプリって、結局どっちがいいの?

連載「いまさら聞けないリテールDX」とは?
小売・食品メーカー業界のDX化に関連した様々な素朴な疑問や地味にもっと理解しておきたい基礎知識を、みんなのリテールDX編集部が総力をあげて分かりやすい解説を試みている連載です。

こんにちは、みんなのリテールDX編集部のつるです。
「いまさら聞けないリテールDX」では、リテールのDX化においての素朴な疑問をわかりやすく解説していきます。初回となる今回は、「スマホアプリとミニアプリって、結局どっちがいいの?」をテーマにお届けします。

ネイティブアプリとミニアプリの違い

ネイティブアプリとは、App StoreやGoogle Play ストアからダウンロードし、スマホやタブレット端末などにインストールして使用するアプリのこと。スマホやタブレット上で動くアプリといえば、このスタイルが一般的ですよね。

一方ミニアプリとは、そのネイティブアプリの中で動くアプリのことを指します。ミニアプリ機能で有名なネイティブアプリといえば、日本では「LINEミニアプリ」や「PayPayミニアプリ」、「d払い ミニアプリ」が有名です。アプリの中で動くアプリって何? と少々ややこしいですが、「LINE」上で動作するアプリと考えていただければ問題ありません。

ネイティブアプリとミニアプリ、顧客のメリットとデメリット

次に、ネイティブアプリとミニアプリそれぞれの得意な部分・苦手な部分を、リテールDXの観点で見ていきましょう。
ここからは、スーパーマーケットのネイティブアプリやミニアプリを多数手がけてきた、みんなのリテールDXの望月 洋志編集長に疑問をぶつけながら解説していきたいと思います!

Who is 望月編集長?
望月 洋志(D&Sソリューションズ株式会社 共同CEO)
広告会社の社内ベンチャー立ち上げでスーパーマーケット7社のスマホアプリを作ったあと、食品卸の日本アクセスにてマーケティングと新規事業を担当。IT子会社のD&Sで「情報卸」というリテールテック事業を立ち上げる。

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ーー 望月さん、小売企業がお客様向けにアプリを提供するとしたら、ネイティブアプリとミニアプリどちらを選ぶべきなのでしょうか。

望月:正直なところ、両方得意な部分と苦手な部分があるんですよね。なので答えは「どっちも良い!」です。

ーー それだと判断材料になりません!もう少し詳しく教えてください。

望月:そうですねー。では、ネイティブアプリはみなさん普通に使っていると思うので、ミニアプリの特徴を「LINEミニアプリ」を例にして解説しますね。まず、お客様にとっての利点は3つあります。それぞれ解説していきますね。

1. インストールが簡単! 「同意」するだけで完了
新しくスマホアプリを利用する際、通常であればストアにアクセスしダウンロード、そしてアカウント登録をするという工程を踏みます。しかし、すでにLINEを使用している方であれば「許可する」ボタンを押すだけで登録完了。アルファベットと数字、大文字小文字、記号も混ぜて8文字以上のパスワードを……なんて小難しいことを考えずに利用できる状態になるので、ITに詳しくないお客様でも簡単にご利用いただけるようになります。

LINEミニアプリ_認証画面

▲「許可する」を押すだけで登録完了

2.LINEの公式アカウントからすぐ起動できる
「LINEミニアプリ」は、LINEの公式アカウントと連携できます。なので、リッチメニューなどにあらかじめLINEミニアプリにアクセスできるようにリンクを設定しておけば、LINEの公式アカウントからすぐに起動できるんですね。LINE公式アカウントからメッセージを送る→メッセージを開く→開いている画面から「LINEミニアプリ」を即起動、というシームレスな流れを作れるわけです。

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▲(左)LINEのトーク画面/(中央)LINEミニアプリのトップ画面/(右)チラシへのアクセスも容易

3.いつも使っているLINEで操作できるので簡単・安心
1,2とも共通する点ではあるのですが、いつも使用しているLINE上で使える安心感は計り知れません。操作にも慣れているので、すぐに使いこなせるようになるでしょう。普段アプリを使うような操作でチラシも見られるし、クーポンも見られるし、ポイントカードとも連携できる。とても便利です。

ーー たしかに! ITスキルに自信のない方でも、LINEであれば日常で使っていますもんね。では、デメリットはあるのでしょうか。

望月:そうですね、強いて言えば、ネイティブアプリと比べて利用できる機能が限られている点でしょうか。ミニアプリは結局アプリ内のWEBビューワなので、ネイティブアプリで使える機能でも、使えない機能があるんですよね。そのため、「LINEミニアプリ」で使用できる機能を組み合わせて作るので、利便性には限界があります。

小売企業から見たメリットとデメリット

ーー  では次に、小売企業の視点から見たメリット、デメリットを教えてください。

望月:はい、こちらも「LINEミニアプリ」を例に解説しますね。

1.ユーザー層の年代が幅広く、シニアとも相性がいい
スーパーマーケットの主要顧客層は40~70代です。しかし、一般的に、多くのスーパーマーケットのネイティブアプリ利用者は30代〜50代が中心。60代になると利用者がぐんと減ります。一方、「LINEミニアプリ」は40~70代をカバーできているというデータがあります。LINEをすでに使っており、操作にも慣れているし、インストールもいらないのでら抵抗感がないのだと思います。ネイティブアプリが悪いというわけではなく、ネイティブアプリを使いこなせないシニア層に届ける手段として有用です。

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2.LINEでプッシュ通知を送ることができる
LINEのメッセージ配信って、なんだか開いちゃいませんか? 実はLINE社によると、メッセージ配信は、一般的には開封率が高いと言われています。LINE社が運営するサイト「LINE for Business」に掲載されている事例紹介では、メールマガジンの10~20倍、ネイティブアプリの2倍の開封率だったと語られています。開封率の高さは売上に直結するので、とても重要です。

3.従業員への浸透が早い
お客様だけでなく、従業員にとっての使いやすさも重要です。スーパーマーケットの従業員は年代が幅広いので、社内普及のハードルが低くなると思います。

ーー 従業員へのメリットは意外な視点でした! では、デメリットはあるのでしょうか。

望月:2つあります。一つはお客様視点と同様、機能が限られる点。そしてもう一つは費用面です。

1.機能が限られる
まず、「LINEミニアプリ」は結局アプリ内のWEBビューワなので、ネイティブアプリで使える機能でも、使えない機能があるんですよね。たとえば、カメラ機能やプッシュ通知など、ネイティブアプリでは普通に使用できる機能を組み込むことができません。プッシュ通知については、LINEの公式アカウントを取得し連携するとメッセージが送れるようになりますが……。【2】に続きます。

2.メッセージ配信の費用が発生する
LINEの公式アカウントからメッセージを送る場合、プランや送信数にもよりますが、1通0~5円かかります。フリープランであれば月1,000通まで無料で送信できますが、それ以上になると月額固定費や従量料金が発生します。たとえば、 10万人のお客様に月4回通知すると、35.5万通(10万人✕4回-無料メッセージ4.5万通)分の料金と1.5万円(月額固定費)で108万円。100万円を超えます。ネイティブアプリだと0円なので、大きな差と言えます。ただ、ネイティブアプリに比べてユーザー数が増えやすいのでそれに比例し早い段階から売上にも効果がでやすくなります。

結論:

スマホアプリとミニアプリ、どっちも違ってどっちもいい!

両方作れたら最強ですよね・・・!もし、もっと話を聞きたいという方がいらっしゃいましたら以下にお問い合わせください。

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この記事を書いたのは・・・
つる
マーケティング、広報、ニュースサイト編集、ライターと一貫して“伝える”仕事に従事。趣味はデータまとめ。