商品部の視点から考える静鉄ストアのDX戦略【後編】
こんにちは、みんなのリテールDXの望月(大)です。
株式会社静鉄ストアの商品部部長である鈴木秀和さんへのインタビュー後編は、DX戦略でチャレンジしていることを中心にお話を伺いました。
前編はこちら
DX化でさらなるチャレンジと店舗への浸透で意識すること
鈴木部長「今後チャレンジしたいのは、他のコンテンツの入り口からLINEミニアプリに誘導、もしくはLINEミニアプリから商品部のサイトに誘導した場合、両方誘導したほうがいいのか、他の形がいいのかを検証していきたいと考えています」
店舗の販売場所についても、しっかり販売場所を作らないと売れない商品と、販売場所に限らず「情報」によって売れる商品があります。後者の「情報」によって売れる商品に関しては、ネットスーパーのようなリアルに販売場所が存在しないチャレンジも静鉄ストアでは検討されています。
鈴木部長「店舗との連動の方が売上が上がるのはもちろんその通りです。逆に言うとやりたいことは店舗連動が辛いところでもしっかりと売れる商品を探すチャレンジをしていきたい」
静鉄ストアとしてLINEミニアプリを考えたとき、静鉄ストア・お客様・メーカーの3社が全部働くのであれば、それが一番だから進めていく必要があります。静鉄ストア全体の理解としては、今はLINEミニアプリの会員をまだ集める時期の認識だと言います。
静鉄ストア全体としてLINEミニアプリが会員を集めるフェーズだという理解のときに、会員を集めるための売り場展開を考えた場合、より時期だとか、その日・そのタイミングでお客様が買ってくれる商品を1番目立つ企画としてやっていかないと、結果的にLINEミニアプリの会員が集まることにはつながりません。
鈴木部長「もっと特殊な企画も試したいんだけど、いまメインで実施しているところは、より多くのお客様に刺さる企画や商品を売り出していくのが会社全体の認識です」
D&Sソリューションズと取引のある他の小売業では、本部として店舗に指示書を出していても、その指示書の通りに対応するかは店舗と言います。
それに対して鈴木部長は「静鉄ストアはLINEミニアプリ専用の売り場(エンド)でもうひとつ販促物を付けて作ってますからね」と。
また静鉄ストアがそれぞれ店舗まで意識を浸透させるために、どんなことを意識しているのでしょうか。
鈴木部長「もちろん全員が理解してるわけじゃないと思います。ただ、なぜ今アプリをやらなきゃいけないかをまず説明しており、アプリに繋がることで将来という効果があると伝えています」
閲覧数や購買率がより上がるかが分かれば、メーカーさんもそこに予算を投入するし、もしLINEの会員をもっと増やした方が5%しか閲覧数や購買率がなかったものが、10%に上がると検証結果が分かれば、よりそこに予算を入れていきましょうってサイクルもできます。
店舗に企画を説明するときにも効果の説明はできるので、いかに成功事例を増やすかが店舗にLINEミニアプリを浸透させる1つの方法になります。
DXで解決したい意外な現場の悩みとは
鈴木部長は「話はそれるんですけど」と切り出すと、たとえば社内の各部門から各担当者に指示は行くけれど、それぞれの指示すべてを各店舗の店長が把握するのは難しいそうです。
そのため商品部全体ですべての指示を一括した情報として、各店舗の店長が一括で見ることが出来る仕組みを作り、バラバラで集まった指示をどれだけまとめて分かりやすく発信できるかDXを使って解決できないかと。
いま電話やメールなどでバラバラになってしまっている指示が、しっかりと取りまとまる仕組みがあれば、やるべき優先順位も必然的に分かります。
鈴木部長「指示したことを各店舗で実行していただくために、いかに店舗のオペレーションと理解度を上げるためにはどんなやり方がいいのかずっと悩んでいます」
どういう形で各店舗に指示を出したらいいのか
今は商品部だけの話ですが、商品部・営業企画部・店舗営業部の情報として、「営業企画部としてこうです」と発信とチェックが出来ると、より広角的な視点で戦略を考えることができます。
鈴木部長「決まった企画や、条件が出たとか、メーカー様とお互いにやろうって決めた企画をしっかりと店舗で実行して効果検証していくのが、メーカー様・静鉄ストア・お客様にとってもいいことですから、いまLINEミニアプリを利用すればデータを見ることが出来るので重要な施策だと思っています。
企画の効果を検証するうえで、ちゃんと実行されている店舗とそうではない店舗とは全然違います。アプリエンド企画もしっかりと売り場を見て指示できるように、各店舗へ行ってチェックしまくってますけどね(笑)」
今後のDX施策でLINEミニアプリに期待したいこと
最後にLINEミニアプリでの連携やサービスで今後に期待していることについて鈴木部長は、すぐサービスの「負」の部分を解消できるかどうかだと言います。
ちょっとしたお客様のご意見など「負」となる部分をすぐ解消せず、いくつかの「負」が溜まると、それがサービス批判の原因になっていくからです。
もちろん技術的にできること、できないことがあるかもしれませんが、技術的なことで「負」部分の解消が出来るものは、すぐに解消しなければいけないと期待されています。
また鈴木部長は、「今やっている企画だけだとお客様に飽きられちゃうと思うので、アプリの中で出来る新しい企画や、常にコンテンツのアップデートを導入しないとまずいと思っています。
コンテンツ自体を作るのは力がいると思うんですが、基本的にこちらからプッシュ配信をしなくても、コンテンツが常にアップデートされていれば、毎日お客様はアプリに来てくださいます。じゃあ毎日更新をかけるコンテンツを更新しやすいような管理方法やコンテンツの作り方のサポートに期待しています」とこれからのLINEミニアプリとDX施策に関して期待を語っていただきました。
静鉄ストアのDX戦略はまだ前半戦ということで、今後LINEミニアプリの会員数が増加とともに出来る施策が増える期待感を感じ取ることができました。LINEミニアプリ自体に対する機能の充実も要望いただくなど、今後も連携をより深めたいと感じる時間でした。鈴木部長ありがとうございました。
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