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チラシNEXTからみるダイエーのこれからのDX戦略

こんにちは、みんなのリテールDXの望月(大)です。
「ダイエー」と聞けば、みなさんご存知のようにスーパーマーケットとして非常に有名です。今回のリテールDX事例は、ダイエーが導入したD&Sソリューションズの「チラシNEXT」の活用方法を中心に、ダイエーが取り組んでいるDX施策の現在地について、株式会社ダイエー 関東事業本部 営業企画部部長の戸谷麻紀さんにお話を伺いました。

戸谷 麻紀(株式会社ダイエー 関東事業本部 営業企画部 部長)
ダイエーにて、店長を経験後、2021年から営業企画部 部長を務める。チラシを通じたお客様とのコミュニケーション強化を図るため、チラシNEXTの導入を推進。

※チラシNEXTとは
D&Sソリューションズが2022年5月よりスーパーマーケット向けに無償提供している新しいデジタルチラシサービス。スーパーマーケットのLINEミニアプリ、ネイティブアプリ、ウェブサイトを通じて、商品に関する様々な情報で生活者とスーパーマーケットやメーカー企業をつなぐ、デジタルチラシのプラットフォーム。

ダイエーにとってチラシが持つ役割とは

ダイエーにとって「チラシ」とはどんな役割を持っているのでしょうか。

戸谷さんは「チラシはお客様との接点も多く、企業としてのメッセージをお伝えする場の一つとして当社においても非常に重要なポジションを占めています。またお店における販売計画の一端を担うものとして機能していると言えます」と言います。

株式会社ダイエー 関東事業本部 営業企画部  戸谷部長

現状のチラシに対する課題感

チラシが持つ機能として一番求められているものは、実際にお店に来店していただくお客様の集客です。ダイエーではチラシの効果を測るためにチラシを打った期間にどれだけの売上があったかを効果測定し、それを積み重ねています。

そこでの戸谷さんは「過去実績情報を元に、お客様の動向などの環境与件等、様々な情報を加味して計画を立てています。それが面白いところでもあるのですが、あくまでも仮説であって、販売予測は本当に難しいと感じます」と課題感を口にされました。

また、戸谷さんはもうひとつの課題として、折込チラシの費用対効果を測ることが難しいことも挙げられました。デジタルでの施策に関しても、まだまだトライ&エラーの最中でデジタル施策でのPV数とチラシの配布部数の比較をしてみるなど、戸谷さん始め社内で試行錯誤を繰り返されています。

戸谷部長「デジタルチラシを実際に見て店舗に来られたお客様がどの程度いるのかの客観的なデータが一番欲しいです。デジタル化を進めるにあたり、実績を積み重ねていくことが大切だと思います。」

全世帯的に新聞購読者数が減少するなか、それは相対的に折込チラシの発行部数も減ることを意味するため、ダイエーでもデジタル施策により力を入れている状況があります。あくまでも全世帯に訴求したいという社内の声もあるため、よりデジタル施策に関しては「チラシNEXT」も含めて精度を高めて集客に効果のある施策を取り組んでいきたいと戸谷さんは言います。

デジタルチラシの可能性

ダイエー店舗イメージ

デジタルチラシと言えば、折込チラシを画像データにしてそのままオンラインで見るような形式が頭に浮かぶかたも多いと思います。

戸谷さんも「それだけじゃ面白くない」と言います。お客様にデジタルチラシを見ていただくなかで、「チラシNEXT」を活用して紙のチラシに載せられない情報をどれだけお届けできるかといった可能性を探っていきたいと今後の方向性について戸谷さんは考えられています。

このインタビュー取材のタイミングでちょうどダイエーで「チラシNEXT」を導入してからのPV数がわかったそうです。これまで仮説しか立てられず不明確だった予測やデータが実際に数値化されたことで、打つ施策も変わってくると戸谷さんは言います。そのため、このタイミングで”チラシNEXTのPV数がわかってきた” = 企画の内容をブラッシュアップし、閲覧回数を増やし、ダイエーのロイヤリティを高めていきたいと意気込みます。

戸谷部長「チラシの掲載期間だけじゃなくて、毎週チラシNEXTを見ていただいているお客様にお買い得情報や開催している催しの情報をお届けできたらいいなって思っています」

ダイエー各店舗で悩んでいること、例えば雨が降ったときにタイムサービスを開始できるような仕組みがチラシNEXT上で店舗ごとにリアルタイムで発信できる、いわゆる小回りが利くようにな設計が可能であれば、ダイエーとお客様にとって、チラシNEXTは面白い存在かつ良い情報を与えてくれる存在になるのではないかと戸谷さんはチラシNEXTの可能性を示唆してくれます。

戸谷部長「そのようなことが出来たら、よりお客様に近い存在になれると思います。これまではお客様自身で探さないと見つけられない情報などを、チラシNEXTを通じてダイエーからお客様にお届けしたいと思っています。」

チラシはあくまでお客様が能動的に見る前提のもので、戸谷部長が目指す世界は、能動的にチラシを見ないような受動的なお客様にも商品情報をお届けできる世界です。その世界が実現できる仕組みがデジタルであり、デジタルを使う意味でもあります。ただし受動的な人たちにも届けられるようなリテール分野のプレイヤーが、今日本には少なくともいない現状があるのも事実としてあります。その方向性を解決するための施策のひとつがチラシNEXTです。

他の部署からのチラシNEXTの評判とお客様からの評判

今回ダイエーに導入されたチラシNEXTの評判について正直なところを戸谷部長に伺ったところ、「各商品部のアイテムのなかで、例えば旬のお野菜がこんなに安いみたいな情報が毎週ごとに変わるんですが、なかなかチラシに反映することができてませんでした。以前からそういった情報を載せたいなと常々思っていて、今回のチラシNEXTの導入で商品部に声掛けしたところ、前向きに考えていただき、ウチもウチもとお話をいただいているので、商品部からの評判は上々ですね」

お客様からはチラシNEXTを見るまでに、1行程増えたのが見づらいといった意見もあったようですが、ただチラシ自体は、以前のチラシを画像データにして載せるようなデジタルチラシよりも、すごく見やすくなったという声が多くあったそうです。

ただ、チラシNEX自体も現在のものが最終形ではありません。D&Sソリューションズでは、ご利用いただくパートナーの意見を参考に、機能については拡充していくなかで、提携しているパートナーの小売企業様たちと一緒に「チラシのDXとは何か?」を考えてまいります。


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この記事を書いたのは・・・
望月(大)
メディア側も広報側の視点も知っている男。個人でメディア「まえとあと」も運営している。


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